2021年度 営業の概況 (2021年4月1日から2022年3月31日まで)

1.企業集団の現況
 (1)当事業年度の事業の状況
 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が長期化するなか、各種制限が撤廃された10月以降一部に改善の兆しが見られましたものの、観光業や飲食業を中心に総じて厳しい状況が続くなど依然として先行き不透明な状況にて推移いたしました。
 このような状況において、スパリゾートハワイアンズにつきましては、前期の第1四半期が緊急事態宣言を受けてほぼ全期間にわたり日帰り及び宿泊施設を休館としておりましたことから、前期比増収増益となりましたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、引続き厳しい状況が続きました。燃料商事事業につきましては販売数量の増加により好調に推移いたしました。製造関連事業及び運輸業につきましては原油価格の上昇及び原材料価格の高騰も相まって、厳しい状況にて推移いたしました。また、長期化するコロナ禍に伴う極めて厳しい事業環境に鑑み、希望退職者を募集する等一層の効率的な体制構築に努めました。
 なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等を適用しております。従いまして、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明において増減額及び前期比(%)については記載しておりません。この収益認識会計基準等の適用により当連結会計年度の売上高は180億71百万円減少し、売上原価は180億78百万円減少し、売上総利益は6百万円増加し、営業損失、経常損失及び税金等調整前当期純損失はそれぞれ6百万円減少しております。
 この結果、当連結会計年度の売上高は、110億81百万円(前期は150億97百万円)、営業損失は23億39百万円(前期は営業損失28億99百万円)、 経常損失は23億12百万円(前期は経常損失30億12百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は27億11百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失28億84百万円)となりました。
  セグメント別の業績は、次のとおりであります。
【観光事業】
 スパリゾートハワイアンズにつきましては、新型コロナウイルス感染再拡大に伴い断続的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されたことにより、旅行や飲食等の自粛が継続する等引続き極めて厳しい営業環境となるなか、お客様と従業員、関係者の健康と安全を最優先として運営をしてまいりました。日帰り部門につきましては、ゴールデンウィーク期間中に、AR(拡張現実)技術による新体感型イベント「HADOパーク in ハワイアンズ」と人気お笑い芸人によるステージイベント「笑フェス in ハワイアンズ」、夏休み期間中に、テレビアニメの世界観を演出したエリアで水遊びを体験できる「トロピカル~ジュ!プリキュア プールランド in ハワイアンズ」と多彩な身体 能力を持ったアスリートたちが肉体を駆使したパフォーマンスをミュージカル形式で披露するオリジナル「ハワイアンズtheアスリートenergy~笑う筋肉~」を開催いたしました。また、11月には「笑フェスinハワイアンズ」、オリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』(12月3日~全 国公開)を記念した「特別パネル展」、「期間限定特別ショー公演」、冬休み 期間中には、「VRシアター in ハワイアンズ」、「仮面ライダー大集合」と「プリキュアオールスターズがやってくる」、春休み期間中には、「鬼滅の刃」イベントなど、ロングラン及び短期間の多様なイベントを開催したほか、ウォータースライダー2種を3月25日にリニューアルオープンし、さらに、積極的な広告活動が行えない状況のなかSNSを中心に話題づくりや集客キャンペーン等を継続的に実施いたしました。宿泊部門につきましては、新しい生活様式に合わせたきめ細やかな受入れ及び安心安全な食のサービス提供を実施するとともに、新たな旅行プランとして「世界最大級の露天風呂『与市』の貸切」や「フラガールやシバオラの貸切ショー」等に加えて、10月より着地型周遊観光バスの再開や少人数に対応した個人型地元観光商品等、地域との連携を強化した多種多様な旅行プランを提供し続けてまいりました。
 また、7月26日にグランピング施設「マウナヴィレッジ」を開業し、新たなお客様にご利用いただきご好評を得て堅調に推移しました。長期に亙って発出された緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が10月より全国一斉解除されたものの、1月下旬から3月下旬にかけてまん延防止等重点措置の再適用や、政府による経済対策GoToトラベルの再開延期になったこともあり、旅行市場が依然として停滞状態にて推移したことにより、利用人員につきましては、日帰り部門は465千人(前期比119千人、34.4%増)となり、 宿泊部門は171千人(前期比51千人、42.7%増)となりました。なお、前期は4月8日から6月30日まで日帰り施設及び宿泊施設の全施設を完全休業しておりました。また、前期は7月22日から12月28日まで、全国一律を対象としたGoToトラベルが実施されておりました(東京都は10月1日から対象)。スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により地元圏におけるコンペやゴルフパックの利用が減少するなか、自社WEB予約受付を新たに開始し、宿泊ゴルフパックの販売を再開したものの、利用人員は37千人(前期比6千人、20.0%増)に留まりました。この結果、当部門の売上高は50億69百万円(前期は37億2百万円)となりました。なお、2020年11月1日に実施した組織改革及びこれに伴う業務改革によるコストの最適化が進み、営業損失は14億90百万円(前期は営業損失23億73百万円)となりました。
【燃料商事事業】
 石炭部門及び石油部門につきましては、販売先への種々の提案が奏功したこと により販売数量が大幅に増加する一方、資材部門につきましては販売数量減少により減益となりました。発電事業につきましては、概ね堅調に推移しております。
 この結果、当部門の売上高は、収益認識会計基準等の適用もあり27億4百万円(前期は79億8百万円)、営業利益は2億38百万円(前期は1億8百万円)となりました。
【製造関連事業】
 建設機械用製品の販売数量が増加しましたものの、主に国内及び中国向け船舶用モーターの販売数量が減少したことにより厳しい状況にて推移いたしました。
 この結果、当部門の売上高は15億25百万円(前期は15億89百万円)、原材料価格の高騰により営業利益は71百万円(前期は1億9百万円)となりました。
【運輸業】
 石油小売部門につきましては、原油価格の上昇により増収となりましたものの、ガソリン等の需要低迷により販売数量は減少いたしました。港湾運送部門につきましては、発電所向け石炭輸送並びにセメント関連輸送が需要低迷等により減少し、減収となりました。
 この結果、当部門の売上高は17億42百万円(前期は18億94百万円)、原油価格の上昇による原価増等があり営業利益は17百万円(前期は50百万円)となりました。
【アグリ事業】
 アグリ事業につきましては、2021年8月に大規模農業施設が完成し、ミニトマトの定植を行い、10月より一部地元圏への出荷に着手し、12月からは 本格的に首都圏市場へ出荷を開始いたしました。品質は市場から高い評価を得ているものの、収穫・オペレーションの確立に時間を要したことなどから、厳しい状況にて推移いたしました。
 この結果、当部門の売上高は40百万円(前期は2百万円)、大規模農業施設の本格稼働による費用の増加により営業損失は1億84百万円(前期は営業損失 64百万円)となりました。